ヨモギを求めて伊吹山へC

以前はカワラヨモギも採れていたらしいが今年は殆ど見かけなかったらしい。カワラヨモギは用途が違うらしく、さすがにヨモギの効用を熟知している。カワラヨモギはヨモギとは似ても似つかないとおっしゃられていた。

ここに写した写真はオオヨモギで、3年位たつと葉も手のひらくらいになり、大人の背丈ぐらいに育つそうだ。摘んで来たヨモギを乾燥させるために軒下に干して、これを裁断機にかけ、更に細かくしていく。この時に機械に付いた繊維状のものがモグサの原型。このモグサの原型を持って来られ湯飲みの裏で火をつける実験を見せてくれた。なかなか消えない。一旦火事なったらなかなか消えないらしく大惨事になるので作業場の火気の取り扱いには要注意だそうだ。先ほどヨモギ餅のおばちゃん達に聞いた夏休みのヨモギ採集を聞いてみると、最近までやっていたようだが、ヘビなどが危ないとの判断よりも、買い取る側の需要との問題でやめていったんではないかと言われていた。原価の安い中国産に勝てないのだろう。個人的には是非残していただきたい風習だし、現地の子供達の薬草に対する見方が育つ良い学習になると思うのだが・・・。こちらで作る入浴剤は、殆どを手作業で作られていた。それだけに薬草(特にヨモギ)に対する情熱はヒシヒシと感じられた。ヨモギの話はどんどん出てくる。その他にもチンピ(みかんの皮の干した物)の話や薬事法の話など大変勉強になった。

帰りに近くの道の駅へ寄り、売店を覗くと野菜や惣菜がずらりと並んでいる。周りの話に耳を傾けると、どうも近所の方が多いように聞こえた。ヨモギパンなど地元ならではの食パンなどが目に付いた。
地元のおばちゃんに声をかけられ、話をする機会ができた。私の車のナンバーが北九州ナンバーであったのを見ていたらしく、出身が九州と言う事で話しかけられた。当社の近くの動物園に行った事があるらしく、1時間ほど話が盛り上がった。そして、伊吹山のモグサの話題になり、娘さんが北海道へ行ったときのお土産に、モグサを買ってきたら、発売元が近所のモグサ屋さんだったと大笑いしながら言っていたので、先ほど聞いた原料の件を思い出し、「そのモグサの原材料は北海道かもしれませんから、お土産としては間違ってはいないかもしれませんよ」。と言うと、「そんな事ははじめて知った。娘におしえてやろう」。と喜んで帰っていかれた。

今回の伊吹山の取材で、伊吹地方の方々は生活にヨモギが定着していて頻繁に利用しているのかと思っていたが、想像していたより風化していた。なんとなく、地域性がなくなり商売上のイメージだけが残っている感じで、少しがっかりした。
しかし、地域の人の多くが伊吹のヨモギは良いというイメージはしっかりと受け継がれていたように思う。

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